四季を通じて自然の中で活動する私だが、何も考えずただ心を解放する時間は稀だ。
秋の入り口に差し掛かったある日、日常の喧騒を離れ、英気を養うために大雪山系へと向かった。渓谷の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込みながら、幻のオショロコマを求めて深山の流れにテンカラ釣りで毛ばりを放つ。次々と飛び出してくるオショロコマたちを釣っては放し、釣っては放しに熱中、その愉しさに自然と笑みがこぼれてくる。
途中、森の香りに包まれながら見つけたのは、山の恵みである天然のナラタケ。キノコは観察だけでも面白く、渓流釣りの喜びと森の恵みを目にして、心が踊る時間を過ごした。