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冬にしか出会えない絶景の峡谷へ、ワインとパワースポットを旅する 阿部 さおり
有限会社インターリンクジャパン 代表取締役

ワイン、神社、パワースポットをこよなく愛する私は、
今回、まだ未体験だった冬の大雪山系層雲峡へと向かいました。
仕事柄、ワインはほぼ毎日飲んでいて、おうちワインの定番は日本ワイン。
北海道のワインと食をテーマにした観光事業のプランニングを生業としながら
常に、お仕事と称してテイスティングを重ねているので、
温泉に浸かり、美味しいものを食べて心身ともにリフレッシュをする時間は
とっておきの充電タイムです。

今回の宿泊先は、創業71年もの歴史を誇るホテル大雪 ONSEN & CANYON RESORT。
これからの100年に向けてリブランディングに取り組んでいる山岳リゾートと聞いていて、
どのような物語に包まれているのだろうかと、まさにホテルジャンキーズの気分で
出発しました。ちなみにかつて、元祖ホテルジャンキーとして1997年にホテルジャンキーズクラブを創設した村瀬千文さんの著書に影響を受け、ジャンキーズクラブの会員になったことがある私、自称ホテルステイこだわり派です。(あの頃がお懐かしい~)

札幌市内から道央自動車道を北上して車で3時間弱の移動、
せっかくなので道すがら立ち寄れるワイナリーにアポイントを取りました。
当日は滝川市を経由して同市内の江部乙にある「えべおつWein」に到着。
こちらは2023年に開設したばかりで、中空知エリア初の醸造所です。
オーナーの高橋満さん、孝輔さん親子はご家族で東京から移住をされて、
ここ江部乙の地で2016年からブドウの栽培をスタート。
念願のワイナリーを立ち上げられました。

ちなみに北海道は今、国内外から注目されるワイン産地です。
醸造所の開設軒数は山梨県、⾧野県に次いで今年1月末時点で 71 軒。
ワインの原料となるブドウは、かつてはヤマブドウや食用のブドウが中心でしたが、
ヴィニフェラ(ワイン専用品種)黎明期を支えてきた栽培家たちの努力が実り、
特に 2010 年以降は仏ブルゴーニュで多く栽培されているシャルドネやピノ・ノワールが
国内でも随一の栽培地として面積を拡げています。
えべおつWeinではヴィニフェラのみを栽培し、白ワインは7品種をアッサンブラージュ。
ピノ・ノワール主体の赤ワインは、赤い果実の香りに冷涼な酸を纏い、
余韻にやわらかい旨味が重なる身体にしっとりと馴染む飲みやすさ。
食中酒にぴったりのミディアムボディです。

えべおつWein高橋孝輔さん(左)、高橋満さん(右)

後継者の孝輔さんから今後のワインづくりへの抱負をお聞きし、
最新銘柄の出荷を楽しみに思いつつワイナリーを出発。

おやおや?神社の鳥居を発見!
巷で有名な「江部乙神社」です。笑う狛犬が福を呼ぶ!と言われ
人気のパワースポットなのだとか。幸先の良いスタートの予感。
まずは参拝をして心のお清めをいたしました。

江部乙神社名物の「笑う狛犬」。大切にカバーをかけられていました。

その後、深川から再び高速道である道央自動車道を北東へ向かい 1 時間 40 分。
見えてきました大雪山国立公園層雲峡。
アイヌ語で「カムイミンタラ=神々が遊ぶ庭」と呼ばれる聖地に身を置く瞬間です。
なんと、ここでも神社を発見!その名も「大雪山層雲峡神社」。
しか~も、エゾシカの親子がお迎えくださいました!
早速、神様から洗礼を受けた気分(プルプル、感動と寒さに鳥肌が立ち・・・ 

大雪山層雲峡神社で出迎えてくれたエゾシカの親子

夕陽が山嶺に沈む頃、目的地のホテル大雪 ONSEN & CANYON RESORT にチェックイン。
外気温はー9℃、そろそろ温泉が恋しい気分です。
今日のお部屋は「和房 雪花」。
存在感いっぱいの備え付け露天風展望風呂はどこか懐かしい風情を醸し、
ウェルカムドリンクには淹れたてのお抹茶をご用意くださり、
なんとも言えない侘び寂びの境地に身を委ねてホッ・・・

お部屋でのお供にとワインも持参しました。
日本酒は、ホテルの売店をのぞいたところ、ロゴデザインがシンプル&スタイリッシュで一目で気に入り、お土産に購入したもの。ホテル大雪のスタッフが地元の上川大雪酒造「緑丘蔵」と一緒に酒造りに携わったというコラボの限定酒なので、ワイン派のわたしでもこれはどうしても気になりました。

お気に入りの北海道ワイン2本と、上川大雪酒造「緑丘蔵」×ホテル大雪とのコラボ酒

お待ちかねのディナータイムは、和房 雪花専用の個室「季響庵」で。
北海道の食材をふんだんに取り入れた和食のフルコースディナーは、
近海の魚介やおすすめの和牛ほか、どれもが彩りよく見た目にも心躍る盛り付け。
北海道の食文化やお酒とのペアリングを楽しませてくださるガストロノミックな構成とでも言いましょうか。特に、かまくら仕立てのスノードームを器にしたお刺身の盛り合わせは、国内はもちろんインバウンド(海外観光客)の方にもぜ~ったいに喜ばれますね、So cool !!

その後はお部屋の展望風呂でゆったりとリラックス。
「T'AIsetsu」というヘアケアのアメニティはホテル大雪オリジナルということで、こちらもshopで購入できました。

就寝タイムはお部屋に備え付けのボサノヴァミュージック CD を聴きながら・・・

あっという間に朝を迎え、5 時からのお楽しみはホテル内3カ所の大浴場巡りです!
3つの大浴場と2つの露天風呂があり、すべてを堪能いたしましたがとにかく館内が広く、
最後に向かった別館大雪山荘3階「峡谷露天風呂 天華の湯」からの眺めが私の中の No.1!
冬ならではの冷たい空気と粉雪が舞い散る雪景色、
すぐ目の前の峡谷と一体となっているような気分で何とも言えない無の境地に・・・
ふか~く深呼吸~~~

「峡谷露天風呂 天華の湯」ホテルHPより

朝食は洋食をチョイスしました。サラダ、スープ、ホテルメイドのパンやフルーツ、スクランブルエッグ、トマトジュースにコーヒー、食べきれないほどの美しくヘルシーな彩りメニューでテーブルの上はいっぱいに。そしてその奥に広がる窓からの眺めをしばしボーっと眺めて、、、
ふと、ホテル大雪ではお部屋にいても、お風呂でも、食事をしていても、常に自然美が視界に入ってきて、脳を刺激し、ドーパミンが溢れ出てきて五感が潤うのだなということに気付きました。
絵になりますね~リラックスの極みです。

温泉と朝食で心身を整えて見事に充電完了。
ロビーの多目的スペースで本棚を見ると、なんと我が書籍を発見!(ありがとうございます!!
今日の旅のはじまりの気分はまさに最高潮~~~

「旅のはじまりの本箱」で見つけた私の著書(写真左下)

大満足の時間を過ごし、絶対にまた来たい、名残惜しいと思いながらチェックアウト。
さあ、ここからホテル大雪ツアーの終盤です。

層雲峡温泉を代表する景勝地で「日本の滝百選」に選ばれている銀河の滝、流星の滝へ向かうと、
滝は壮大なスケールで凍りつき、本格的なアイスクライミングをしている方々もいて驚きました。
数ある秘境をご紹介いただいた中、最も印象的だったのは「大函」(おおばこ) 。
柱状節理の断崖絶壁で、屏風のような巨大な岩壁が向き合っています。
まさに大雪山のふところに神々の世界が息づく景勝地。
冒険気分で200m ほど前進して、絶壁に挟まれた谷間でふと、空を見上げると・・・
驚くような景観が視界に飛び込んできました!
空が青く高く、そしてエゾライチョウが木の枝をお散歩?!えっあの準絶滅危惧種に指定されていて滅多に見られないというエゾライチョウなの?!!
思いがけない出会いに心を震わせるほど感激!
聖地での嬉しいできごとに感謝をしながら、
きれいで美味しい空気を全身に浴びながら、ふか~くふか~く何度も深呼吸~~~

真下からエゾライチョウを見上げる!

初めての冬の大雪山系層雲峡で、北海道の壮観な景色を目に焼き付けて、
私はつかの間の二日間でエネルギーチャージを完了。
新しい何かが芽生えた新年のスタートとなりました。
真冬の層雲峡、ホテル大雪での忘られぬステイは、和心に通じる景観美と、
侘び寂びの余韻が冷めやらず、いまだ全身に響き続けているように感じます。
また訪れたいホテル大雪 ONSEN & CANYON RESORT。
日本きっての雄大な自然と食、地域文化が融合する、
ホテルジャンキーにも自信を持っておすすめできるガストロノミックなお宿です。

冬暁に見る
氷柱に響くさえずりは
カムイの庭に未来を描く

*阿部氏からのメッセージ:

大学の卒業論文は、平安時代の「雅」に憧れて紫式部『源氏物語』をテーマに、光る君の心のよりどころを書き連ねました。今回の旅路、ホテルで過ごす時間は日本由来の「和心」、侘び寂びに通じる「雅」の世界観を郷土の文化から学び、その思いを感じるままに書き連ねました。いつのときも、ときめく気持ちを忘れずに、心の豊かさは自身を成⾧させ続けてくれる。

アメリカの詩人、サミュエル・ウルマンの大好きなポエム
【「青春とは」ある一定の期間を言うのではなく、心の持ちようを言う】

今年は初心に立ち返る、原点回帰の一年。ときめく気持ちを忘れずに、北海道のワイン産地に「ワイナリーロード」を造成することをカムイミンタラで思い描き、ここからの、私自身の新たな10年をスタートいたします。

阿部さおり(有限会社インターリンクジャパン 代表取締役)
札幌市在住、國學院大學文学部卒業。最新著書「北海道のワイナリー50 つくり手たちを訪ねて」(北海道新聞社)、(一社)日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。
北海道のワインと食、人をつなぐエシカルライフコーディネーター。2002 年より北海道ワインに着目。
2005年札幌大通公園でのイベント「ライラックまつり」での「ライラックワインガーデン」を企画する他、ワインと食をテーマにした観光事業のプランニング、講演、執筆等を行う。北海道ワインの持続的な消費拡大への仕組みづくりを日々検証中。
コレクションのグラスでワインを飲む時間が至福のひととき。ワイン、神社、パワースポット好き。また自身でもワインの販売を手掛ける。
~おうち時間を彩る北海道のワインと食のお取り寄せサイト~
【北海道「日本ワイン」Salon】https://winehokkaido.shopselect.net
北海道のワイナリー紹介サイト「FUDO」も運営。https://fudo-wine.com