#14
冬の大雪山でアクティビティを満喫する旅
山岸 正美 氏
株式会社マーケティング・コミュニケーション・エルグ代表取締役会長/イベントプロデューサー/SESSA(Sapporo Engage Share & Succeed Academy)コーディネイター/「五十嵐威暢美術館 かぜのび」理事長/画家
株式会社マーケティング・コミュニケーション・エルグ代表取締役会長/イベントプロデューサー/SESSA(Sapporo Engage Share & Succeed Academy)コーディネイター/「五十嵐威暢美術館 かぜのび」理事長/画家
北海道生まれで、小さい頃から毎日のように家の裏山に登っていた。夏は木登りをして基地を作り、冬はリュージュのコースを作り…といっても、当時はリュージュなんて知らない訳で、ビニールをお尻に敷いて滑るだけだったが、実に楽しく、暗くなるまで夢中で遊んだ。
70代になった今も、冒険心というか好奇心は衰えることがなく、自然の中で遊ぶのが大好きだ。もちろん体力は年相応に傷んでいるものの、気持ちだけは元気。
仕事が忙しかった頃も、フライフィッシングやカヌー、登山、スキーなど、時間を見つけては車に道具を積み込み、道東や道南まで足を延ばして楽しんでいた。
久々の遠出に、前日からワクワク。スキー道具、ウェアにカメラなどを車に積んで、朝8時に札幌の自宅を出発し、道央自動車道を旭川方面へと向かった。天気は曇りだが、雪も風もなく、BGMに流したドナルド・フェイゲンの「The Nightfly」が心地よく、快適なドライブ。
「Taisetsu Bakery Café & Bar」/ホテル大雪 ONSEN & CANYON RESORT 1F
午前11時、ほぼ予定通りに到着。待ち合わせた層雲峡の「ホテル大雪 ONSEN & CANYON RESORT」1階のTaisetsu Bakery Café & Bar で、焼きたてのクロワッサンとコスタリカ産の香り高いホットコーヒーを注文。スケジュールの確認をしながら、少し早めのランチをいただいた。長距離運転の疲れが和らぐ。木の温もりに包まれた空間には、北海道産のワインや層雲峡麦酒などが揃っているので、トレッキングや温泉のあとにも楽しめそう。
さて、いよいよ黒岳でのスキーへ。黒岳ロープウェイの乗り場はすぐ近くで、あっという間に駐車場に到着。準備を整え、101人乗りの大型ゴンドラに乗り込み、標高1,300mの5合目へ向かった。秋には日本一早い紅葉が楽しめることで知られるが、この眺めは50年前から大勢の人の感動を刻み続けて来たのだろう。冬はスキー客が中心で、5合目の黒岳駅にはネイチャーテラスがあり、運が良いと雲海を望むことができる。
黒岳ロープウェイ*/ 層雲峡の柱状節理や大雪山の山々の絶景が楽しめる
そこからさらに二人乗りリフトで、標高1,520mの7合目へ。今回は雪と霧で見ることができなかったが、晴れた日には眼下に雄大な層雲峡の渓谷が広がる。パウダースノーを楽しめる3コースは、十分に満足できるスキー場だった。
黒岳スキー場/雪と霧の幻想的なゲレンデで、積もったばかりのパウダースノーを楽しむ
実は20代の頃、親友と二人で9月の黒岳に登ったことがある。当時は5合目からのリフトもなく、標高1,984mの山頂を目指して何時間もかけて登った。頂上にテントを張ったが、夜には満天の星空が広がり、宇宙に吸い込まれていくような錯覚に。大雪山を縦走した青春時代が蘇った。
流星の滝は落差約90m、銀河の滝は約120m。ほぼ垂直にそそり立つ氷壁の威容に圧倒される
スキーを少し早めに切り上げ、黒岳ロープウェイ乗り場から車で5分ほど走る。次は流星の滝と銀河の滝だ。夏や秋には勢いよく90m直瀑する滝だが、冬は氷で覆われ、水墨画のような静謐な景色を見せていた。じーっと、何時間でも観ていることができる。
さらに4.5kmほど足を延ばした。大函小函と呼ばれる大渓谷だ。層雲峡は約3万年前の大噴火による火砕流が固まり、長い年月をかけて風化し、石狩川に削られ、今のような柱状節理が形づくられた。全長24kmにわたって切り立つ渓谷は圧巻そのもの。冬はスノーシューや歩くスキーで断崖絶壁を見上げながら歩くことができて、数万年前の世界にタイムスリップしたかのようだ。100mから200mも頭上にそびえる大きな氷柱は恐ろしくもあるが、未知の世界へ誘ってくれる。ぜひ安全に配慮しながら、このスケールを感じてほしい。
黒岳でのスキー、滝と渓谷の散策、たっぷりと大自然を満喫したあとは、本日の宿である「ホテル大雪 ONSEN & CANYON RESORT」にチェックイン。早速、浴衣に着替え、待望の温泉へ!このホテルには3つの大浴場と2つの露天風呂があり迷ってしまうが、まずは眺めを優先して、7階にある展望大浴場「大雪乃湯」へ。中性から弱アルカリ性の単純硫黄泉は肌に優しく、疲労回復に最高の温泉。中にあるサウナでたっぷりと汗を流すと、思わず「あ〜っ」と声を出してしまう解放感。
冷えて疲れた身体が温泉でほぐれた。
自分が宿泊したのは、西館5階にある和モダンの部屋「雪ほたる」。ゆったりとした雰囲気の客室の窓の外には雄大な渓谷が広がる。まるでナショナルジオグラフィックの映像を観ているような感覚になった。
夕食はタラの芽の天ぷらや、「とうや」という品種のじゃがいもを蒸したもの、新鮮なお刺身などを少しずつセレクトして、スパークリングワインが喉の渇きを潤す。フリーフローのお酒には色々なワインや日本酒、ホテル大雪さんオリジナルの「とうきびビール」があり、料理も和・洋・中・エスニックとまだまだたくさんのメニューがあったが、自分のお腹と相談しながら美味しくいただいた。
心地よい疲れとともに眠気が訪れ、翌日の早朝出発に備え早めに就寝。
快晴、パウダースノーの旭岳を楽しんだ。
翌朝は7時にチェックアウトし、旭岳へ。黒岳とは反対側に位置するため、大雪山をぐるりと回るように車を走らせる。昨日とは打って変わって晴天に恵まれ、ロープウェイは賑わっていたが、雪質は変わらず上質なパウダースノー。友人と合流し、再び雪の世界を満喫した。
少し欲張りな一泊二日だったが大満足。四季を通して豊富なアクティビティが楽しめる大雪山の魅力を改めて実感し、また何度でも訪れたくなった。
帰ってきてから描いた今回の旅のスケッチ。素敵な思い出ができた